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要注意!「偽装ファクタリング」とは?

要注意

ファクタリングは、売掛債権を早期に現金化できる便利なサービス。
しかし近年、このサービスを悪用する悪徳業者が増えているといわれています。
特に、昨年から続く新型コロナウイルスの影響で経済が悪化している中、お金が必要な人々の切実な思いに付け込んだ「偽装ファクタリング」の被害が増えているようです。

というわけで、今回は「偽装ファクタリング」とは何か、また優良な業者の見分け方についてまとめました。

偽装ファクタリングとは?

現金化

ファクタリングは本来、ファクタリング業者が利用者から売掛債権を買い取り、手数料を引いた分の現金を提供するというサービスです。
たとえば企業Aが企業Bからの売掛債権を所有している場合、ファクタリング業者がその債権を買い取ります。その後、企業Bが支払う代金はファクタリング業者に納められるわけです。
このとき、企業Bが代金を支払うことができなければ、ファクタリング業者は利益を得ることができません。
そのため、事前に審査が行われ、支払い能力などがチェックされます。

以上が一般的なファクタリングの流れですが、最近では事前の審査を行わず、「即日で現金化!」などの甘い言葉で利用者を引きつける悪徳業者が増えています。

「買取」ではなく「担保」

担保

悪徳業者による「偽装ファクタリング」が一般的なファクタリングと大きく違うのは、売掛債権を「買い取る」のではなく、実質的に「担保として扱う」ということにあります。

上記のように、企業Bが支払い能力を持たない場合、ファクタリング業者は利益を得られません。
この場合、利用者である企業Aは債権の所有権を手放しているので、ファクタリング業者への弁済義務は発生しないのが一般的です。
しかし悪徳業者の「偽装ファクタリング」では、企業Bの支払い能力がない場合、いったん買い取られたはずの債権を利用者である企業Aが再び買い戻しさせられ、その代金を支払わなければならないという契約になっています。
つまり、手数料を取られるうえに債権の補償までしなければならないわけです。

悪徳業者を見分ける方法

悪徳業者

以上のような悪徳業者に引っかからないためにも、普段から「悪徳業者の見分け方」をしっかりチェックしておく必要があります。
当コラムでは以前、『ファクタリングをかたる悪徳業者の手口&見分け方』という記事にまとめているので参考にしていただければと思いますが、ポイントは主に3つです。

・「必要書類」があるか
・「契約書」があるか
・「会社概要」があるか

悪徳業者は、公式ホームページ上に「会社概要」を載せていなかったり、記載内容が不十分であったりします。また本来なら必要であるはずの書類が不要であったり、契約に際して契約書が発行されなかったりすることもあります。
そのほか、手数料が相場よりも異常に高かったり、本来なら審査が必要なはずなのに「即日振込可能です!」といった売り文句でサービスを提供していたりする業者も怪しいとみて良いでしょう。

「償還請求権」に注意!

注意

また、利用しようとしている業者のサービスが今回取り上げたような「偽装ファクタリング」であるかどうかを見分けるには、「償還請求権」に注目することが大事です。

償還請求権とは、上記の例のように企業Bに支払い能力がなくファクタリング業者が利益を得られない場合、ファクタリング業者が利用者である企業Aに対して「あなたのところが払ってください」という権利を指します……が、一般的なファクタリングの場合、業者は企業Aから売掛債権を完全に買い取るので、このような権利は発生しません。

事前の契約の段階で、
・契約書に「償還請求権がない」ということをきちんと明記しているかどうか確認すること
・契約書にそのような内容が見当たらない場合、きちんと問い合わせて書面にしてもらうこと
・そもそも契約書がない場合は悪徳業者の可能性大
といった点に注意していただければと思います。

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