コラム

Column

広がりを見せる障害者雇用①

障害者雇用につきまして興味深く、前向きに考えていかなければならない話題を見つけましたので2回に分けてご紹介致します。

2016年4月5日 帝国タイムズより

今年4月より障害者雇用促進法が改正され、 雇用時に障害者に対する差別禁止と合理的な配慮を提供することが義務付けられた。 もともと障害者雇用促進法では、従業員50人以上の民間企業は法定雇用率2.0%の 障害者雇用が義務付けられ、働く障害者が増加している。
近年では、単純な作業だけでなく、高度はPC技術などを有し、 企業の即戦力として活躍するケースも散見される。 障害者雇用にまつわる現場の声や支援事業について紹介する。

障害者と企業の相互理解を深める

障害者の雇用を検討した際には情報収集が第一のステップだ。 ハローワークでは、専門の雇用指導官がいるため、 求人の相談や助成金など支援制度について相談できる。 ハローワーク以外にも、地域の就労支援機関でも相談が可能だ。 雇用前に、どういった障害があるのか、企業側が気をつけるべきことは何かなどを学び、 障害者に向いた仕事内容を検討すべきである。

公益財団法人東京しごと財団(千代田区、以下、東京しごと財団)では、 障害者就業支援事業を手がけており、企業向けセミナーや障害者雇用実務講座を開催している。 これまで開催されたセミナーでは、障害者雇用の流れや、 助成金・インセンティブを含めたレクチャーを受けられることから、 大手や中小企業の担当者が押し寄せている。

東京しごと財団では、中小企業等で障害者雇用を促進するために、職場体験実習を行っている。 障害者を雇用する前に1週間~2週間の機関で実習生として企業が受け入れ、 ビジネスマナーや職場を知ってもらう機会を設ける仕組みだ。 職場体験実習では、企業において、パソコン入力、DM封入、 郵便仕分けといった事務補助作業をはじめ、清掃、調理補助、 梱包作業といった現場作業などを実施している。 実際に職場体験に参加し、「障害者に対する認識が変わった」 「一緒に働くイメージが持てた」という企業担当者からの意見も多く聞かれる。

東京都内に本社か事業所があり、従業員数300人以下の企業は、職場体験実習の受け入れを行うと、 1回につき3万円~6万円の助成金(支給要件あり)を受給することも可能だ。

東京しごと財団の障害者就業支援課長の宮森氏は「就職はゴールではなくスタート。 雇用前から就労後まで支援していきます」と話し、 障害者と企業の双方をバックアップし、障害者の雇用促進に寄与している。

15年の雇用障害者数過去最高を更新

障害者促進法では、事業主に対し、常時雇用する従業員の一定割合(民間企業の法定雇用率=2.0%) 以上の傷害さ雇用が義務付けされている。

厚生労働省が発表した、2015年の「障害者雇用状況」によると、 民間企業(50人以上の規模)に雇用されている障害者の数は、 前年比5.1%増の約45万3100人に増加し、12年連続で過去最高となっている。 実雇用率も4年連続で過去最高の1.88%となり、障害者雇用が広がっている。

雇用者のうち、身体障害者は前年比2.4%増の約32万人、知的障害者は同8.4%増の約9万7700人となった。 なかでも、精神障害者は同25.0%増の約3万4千人となっており、雇用が進んでいることがうかがえる。

広がりを見せる障害者雇用②につづく

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