貸金業登録をしているファクタリング業者は安全?
まず大前提として、ファクタリングは売掛金などの売掛債権をファクタリング業者に売却して早期に資金を得る方法であり、「貸金業」には該当しません。
よって、ファクタリング業者は貸金業に登録する必要はないとされているのですが、その一方で、実は貸金業に登録している業者も存在します。
果たしてこういった業者は安全なのでしょうか。
そもそも貸金業登録とは?
貸金業を営む場合、貸金業法第3条により、行政庁に登録することが定められています。
ここでいう「貸金業」とは、
・消費者金融業者
・手形割引業者
・事業者金融業者(不動産担保金融業者など)
などが挙げられます。
このほか、クレジットカード会社や信販会社も「貸金業者」に分類されるため、貸金業の登録が必要です。
登録後も3年ごとの更新が必要で、更新をしない場合は効力が失われます。
貸金業登録をしているファクタリング業者は安全!
ファクタリング業者は「貸金業」に該当しないため、本来なら登録の必要はありませんが、中には登録している業者もあります。
「それって安心できる業者なの?」と不安に思われることもあるかもしれませんが、結論からいえば、貸金業登録をしているからといって不安になる必要はありません。
むしろ、見方によっては安心して利用できる業者であるともいえます。
その理由を解説してみましょう。
信頼できる
ここでいう「信用」とは、主に財務状況を指します。
実は、貸金業登録には純資産5000万円が必要であるため、小規模の事業者や赤字・負債を抱えている企業などは登録できないのです。
よって、貸金業登録が滞りなくできている業者であれば、資金調達の途中で倒産したりトラブルになったりすることはほぼないと考えることができるでしょう。
また、貸金業登録をしている会社は「貸金業務取扱主任者」を置き、金融庁による厳しいチェックを受けることになります。
こういった点も「信頼できる」といえる理由につながっているのです。
反社会的勢力がいない
暴力団など反社会的勢力と関わりがある者や、過去にこうした人物に関わっていた者は貸金業に登録できません。
現在「貸金業に登録している」ということは、反社会的勢力に関わっていないクリーンな業者という証明になるのです。
厳しい取り立てが行われない
貸金業法では、決められた期日までに返済が行われなかった場合のルールがあります。
そこには、
・深夜から早朝の取り立てをしてはならない
・債務者から退去を求められた場合これに応じなければならない
・本人と関係のない親族などに請求してはならない
・チラシ及び張り紙などで嫌がらせをしてはならない
などが定められています。
これらは悪質業者などが行う常套手段として知られていますが、貸金業登録をしている業者は上記の決まりを守る必要があるため、無理矢理な取り立てをすることがありません。
ファクタリングは借り入れではないものの、2社間ファクタリングの場合には売掛金が入った時点で現金化した資金を一括で支払う必要があります。
その際の回収も、貸金業登録をしている業者であれば上記のようなルールにのっとって行うので利用者としては安心感があります。
危険なファクタリング業者とは?
冒頭で、ファクタリングは貸付業ではないため貸金業登録が不要だとお伝えしました。
これは言い換えれば「貸付業をするならば貸金業の登録が必要」ということです。
しかし、ファクタリング業者の中には貸金業に登録していないのに実質的な貸金業務を行っていたり、高い金利で金銭を貸し付けたりする業者が存在します。
こういった業者は「ファクタリング業者」を名乗っているだけの闇金業者であることが多く、非常に危険です。
ちなみに、貸金業登録をせずに貸付を行うことは犯罪です。
貸金業法違反の無登録営業に当たるとして、10年以下の懲役若しくは3000万円以下の罰金、又は併科という処罰を受けることになります。
まとめ
今回は、「貸金業登録」について解説させていただきました。
「貸金業登録をしている業者は安心だ」とお伝えしましたが、一般的なファクタリング業者に貸金業の登録は不要です。
こういった登録をせずともコンプライアンスを遵守し、安全に業務を行っている会社もたくさん存在しますので、「貸金業登録をしているか否か」だけで判断せず、その業者の特徴などをしっかり見極めたうえで検討するのが望ましいでしょう。