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2017.09.20

ファクタリングと債権回収はどう違うのか

ファクタリングサービスは債権回収のひとつです。しかし、債権回収会社(サービサー)が行っている債権回収とは、まったく別です。それぞれどのような債権回収を行なっていて、どこに違いがあるのか解説していきます。

ファクタリングサービスと債権回収会社との違い

債権回収の方法をお調べいただくと、ファクタリングサービスと債権回収会社(サービサー)を利用する方法が出てくるかと思います。
しかし、どちらも同じようなことができるのかというと、そうではありません。
ファクタリングサービスと債権回収会社、それぞれどのような違いがあるのか見ていきましょう。

【ファクタリングサービス】
対象となる債権 :売掛債権(支払期日から遅延していないもの)
対象となる回収先 :中小企業以上

民間会社、銀行、信用金庫が行う金融サービス。
支払期日を過ぎていない売掛債権の保証や買取りをしてもらうことができます。
融資ほど審査が厳しくなく、スピーディーに資金化できるので、短期的な資金調達方法として注目されている金融サービスです。

■ファクタリングの種類について
<保証ファクタリング>
売掛債権を保証するもの。取引先が倒産して売掛債権が回収できなくなった場合に、保証額の範囲内でファクタリング業者に支払いをしてもらえる。買取りファクタリングよりも手数料が安く済む。
<買取ファクタリング>
売掛債権を買い取るもの。売掛債権を買い取ってもらうことで、支払期日よりも早く売掛資金を資金化できる。
<国際ファクタリング>
取引先が海外であるとき(輸出)の売掛債権を保証、または買い取るもの。保証の方が一般的で、L/C(信用状)よりも簡単な手続きで代金の回収を確実なものにできる。

【債権回収会社(サービサー)】
対象となる債権 :特定金銭債権
対象となる回収先 :中小企業以上

法務大臣から許可を得た会社が行う、借金の取り立て。
支払い期日を過ぎた特定金銭債権を買い取ってもらうことができます。
債権の買取りなので、不良債権の回収を待たず、すぐに資金化したいというときに利用されます。

■特定金銭債権について
おもなものは以下の通り。

• 金融機関などが持つ(持っていた)貸付債権
• リース・クレジット債権
• 資産の流動化目的で持っている金銭債権
• ファクタリング業者が持つ金銭債権
• 法的倒産手続き中の者が持つ金銭債権
• 保証契約に基づく金銭債権(保証会社・金融機関など)
• そのほか政令で定める金銭債権

ファクタリングと債権回収は、回収対象となる債権も利用するタイミングも全く違います。
ファクタリングでは特定金銭債権は買い取れませんし、債権回収では売掛債権を買い取ることができません。そして、ファクタリングが債権の不良化を回避するなら、債権回収は不良化した債権への対処となります。

売掛金を期日より早く資金化したいのであれば、ファクタリングサービス。特定金銭債権の回収を待たずに、少しでも資金化したいというのであれば債権回収会社を利用します。

 

ファクタリングサービスと債権回収会社の使い分け方

ファクタリングサービスと債権回収会社の違いがわかったところで、どちらをどんなときに利用すればいいのか見ていきましょう。

【新規の取引先との契約が決まったが、貸し倒れリスクが心配……】
→保証ファクタリング
取引実績のない新規取引先に対して、まず心配になるのが貸し倒れリスク。支払期日を過ぎてしまえばファクタリングを利用することができなくなってしまいますし、支払交渉をしなければならず面倒です。
保証ファクタリングを利用していれば、万が一取引先が倒産したとしても貸し倒れとならないので安心。

【資金繰りが厳しい!売掛債権が今月支払われればなんとかなるが……】
→買取ファクタリング
「今月の資金繰りが厳しい、早く資金を調達したい!」というときに利用できるのが、買取ファクタリング。
60日先までの売掛債権を買い取ってもらうことができます。審査は融資のようには厳しくなく、入金までの期間も短いです。また、売掛債権を買い取ってもらったあとに取引先が倒産したとしても、払い戻しをする必要はありません。
借入ではないので、後々負担とならないのが買取ファクタリングで資金調達をする大きなメリット。

【不良債権化した特定金銭債権を抱えてしまった……とにかく早く少しでも資金として回収したい!】
→債権回収会社
債権回収には時間が掛かります。回収できるまで待つよりも、すぐに少しでも資金にしたいというときに利用するのが債権回収会社です。
債権を債権回収会社に譲渡することになるので、早く資金化できるということのほかに、債務者に破産されても損失がないというメリットがあります。

■デメリットについて
<ファクタリングサービス>
• すでに支払いが遅延している売掛債権は保証も買取りもできない
• 入ってくる資金は本来の売掛金より少ない額になる

<債権回収会社>
• 本来の債権の金額よりも少ない金額での買い取りとなる
• 自社回収・弁護士による回収に比べて、回収できる金額が少なくなる可能性がある

 

対象となる債権が異なるのでご注意ください

ファクタリングサービスと債権回収会社では、対象となる債権、利用するタイミングがまったく異なります。
それぞれ利用できる条件、利用した場合のメリット・デメリットをよく把握したうえでご活用ください。
どちらともうまく活用すれば、企業が抱え得るリスクを軽減してくれる、強い味方となってくれるでしょう。